あたしと亮太は、急いでゆきの方に走り寄る。

ゆきは案外近くにいたみたいで、ゆっくりと歩いていた。





あの笑いは、何だったのだろう?






あたしはゆきに聞いてみようと思い、ゆきの顔を覗き込んだ。

同じところをずっと見ているな、と思いながら。





ゆきはあたしに、気づかないで、ある一点を見つめている。

顔はほんのりと赤みがさしていて、手をぎゅっと握り締めていた。





その視線の先は、ゆきの言っていた条件にピッタリと当てはまる、男の子の姿があった。