「美咲、落ち着いて聞いてちょうだい。」


いつにも増して、真剣な表情の母親。

父親は、すでに他界している。

重い病気だったから・・。


「お母さん、再婚することにしたの。」


突然言い渡された、再婚発言。

私の答えは、もう決まっている。


「そうなの?よかったぁ。私も嬉しい!」


もう、これ以上大切な母親の涙は見たくない。

父親が亡くなった時の、母親の泣き顔はもう・・・。


見るのも、辛い。



私がそう言うと、お母さんはホッとした表情で微笑んだ。

「ありがとうね、美咲。」



「ううん、幸せになろう、お母さん」