ていうか顔!
顔がぶつかったんですけど!
この美しい顔に傷がついたら、どうしてくれんのよ、アァ!?


なんて凄みたい気持ちを抑え、「痛ぁい……」と弱々しい声を出すあたし。


が、次の瞬間には、ありえない今の自分の状態に気づき、固まってしまった。


ぶつかった拍子に倒れかけたあたしは、近くのテーブルにお尻と手をついていて。

ぶつかった相手がなぜか、そんなあたしに覆いかぶさっている。


そう、つまり。
テーブルの上で半分押し倒されたような状態……!


なんでっ…こんな体勢に!?
ていうか、コイツ誰!?


知らない男の顔を見上げ、呆然としていると。


「うそーっ!」

突如、友人たちの黄色い声が上がった。