「じゃ、あたしそろそろ塾の時間だから」


ホントは塾なんか行ってないけど、これ以上ここにいたらハンバーガーが食べたくなっちゃうから嘘ついて立ち上がった。

学園のアイドルが大口あけてハンバーガーなんてアリエナイもんね。


「塾がんばってねー、美砂ちゃん」

「うん、バイバイ」


ハンバーガーを頬張る友達に手を振って、歩きだそうとした、そのとき。

「――きゃっ」

いきなり前方に立ち塞がった誰かと、思いっきり正面衝突してしまった。


……ちょっ…、誰よ
こんな邪魔なところに立ってんのは!