「小野寺さん。ちょっといい?」


中庭でぼんやりしていると、上級生っぽい男子が声をかけてきた。


「あ……はい」


とっさに無理やり笑顔を作るあたし。


いつでも誰にでも、優しく対応。
それが小野寺美砂だから。



「今、付き合ってる人いる?」

「いえ……いませんけど」

「よかった。じゃあさ、俺と付き合ってくれないかな?」