言葉も出ず、表情ひとつ動かせず、ただボーゼンと立ち尽くすあたしに

晴人はスマホを拾って渡すと、そのまま行ってしまった。


スマホの画面には、昨日のデートの写真。


嘘偽りない姿の、心から楽しそうなあたし。



……あんなに隠したかった、本当の自分なのに。


晴人の「知らない」の言葉が、どうしてこんなに辛いんだろう――…。