でもしっかりしなきゃ。
ちゃんと演じなきゃ。


あたしは学園一のモテ女子。

『可憐で女らしくて可愛い美砂ちゃん』なんだから。


――と、そのとき。


突然あたしの目の前に、名前も知らない女子生徒が2人立ちふさがった。


「小野寺さん」

「え……は、はい」


不穏な空気に、たじろぐあたし。


女子生徒は腕組みをして、高圧的にあたしを見おろして言った。


「あんた、転校してきたばかりのくせに晴人くんに近づかないでよね」

「ちょっと顔が可愛いからって、調子乗んのもいい加減にしなよ」