「……え」


聞こえてくる穏やかな寝息。

微かに上下する晴人の胸。


う、嘘でしょ?
まさかの寝オチ?
てゆーか、ふつう寝る?
あたしの肩で寝ちゃう?


「何、勝手に寝てんのよ!」って、いつもの晴人に対するあたしなら言うところなんだろう。


なのに。

なぜか、今は拒めなくて……。



晴人の体重を左側に感じながら、あたしは胸に甘いものがこみ上げるのを、確かに感じていた。