『わりー。俺、水入れんの忘れてた』 同じ班の晴人が、そう言ったんだ。 ポカンとするあたしをよそに、晴人はテキパキと他の班からゴハンを分けてもらって。 そのおかげであたしたちは夕食のカレーを食べられたんだった。 「……もしかして、あの時、かばってくれたの……?」 隣の晴人に思いきって尋ねた。 けれど、返事は一向に返ってこない。 「晴人?」 名前を呼んだのと同時に、コトン、とあたしの肩に晴人の頭が乗った。