ところが、ブンッと振りおろしたそれは見事に空振りに終わった。


あたしより30センチ近く背の高い晴人が、あたしのオデコを押さえて阻止したからだ。


くっ…くそぉ!


ブンブンブンッ、とあたしはムキになってパンチを繰り出すけど、一発も当たる気配はない。

晴人に片手で軽々と押さえられ、まるで大人と子供状態。軽くあしらわれてる。


「怒んなよオヤジ」

「オヤジってゆーな!」

「どうせお前もヒマなんだろ」

「ヒマじゃないしっ。モテてモテて忙しいしっ」