「バッカじゃないの。なんでメールなんかしなきゃいけないわけ?」


男のくせに『love』が2つも入ったメールアドレスの紙を細かく破り捨てる。


紙吹雪になって飛ばされていくソレに見向きもせず、あたしはふてぶてしい態度で中庭をあとにした。



――そんなあたしを、校舎の2階の窓から、ひとりの男が見ていたことにも気づかずに。





    【ハダカの初恋】