「お、マジで来たか」 晴人があたしに気づき、フェンスから立ちあがった。 あたしはさっきの『ドキン』を帳消しにするように、思いっきり不機嫌な顔で対応する。 「あんたが脅したからでしょ。てゆーか、いったい何のつもり?」 「ヒマつぶし」 ちょっ……ムッカー!! そのヒマつぶしのせいで、あたしがどんだけ憂鬱な想いしてると思ってんのよ! 「あんたねぇっ」 晴人にパンチをくらわせようと、右手で拳を作って上げるあたし。