日曜の駅前はたくさんの人が行き交っていた。


にも関わらず、先に到着して待っていた晴人の姿を、あたしは一瞬で見つけることができた。


植え込みのフェンスに座り、イヤフォンで音楽を聴いている私服姿の晴人。


街の風景に溶けこんでいる半面、ひとりだけ不思議と目立っている。


晴人が被写体でその他すべてが背景、っていうグラビアを見てるみたいで……。



ドキン。


反射的に心臓が鳴った。



いやいやっ!何鳴ってんの、あたし!

コイツは顔だけの男!


……って、あたしも顔だけの女なんだけど。