【第四章 転落】
■1■
【クリュウSide】
この世界には、自然を司る《精霊》が人知れず存在している。
彼らの存在は、遠い昔に残された文献によってのみ伝えられており、今や《精霊》の存在を知る者はごく少数となっている。黄金龍である俺様は、姿を見ることも声を聞くこともできるが。
ちなみに、セリナの受けている【魔法陣構築科】で魔法が発動するメカニズムについて教えていたが、あれは間違いだ。
人類は、魔法陣に魔力を通すことで魔法を使っているのではない。
本当は、魔力を主食としている《精霊》が魔法陣から放出された魔力へ集まり、魔力を補給した対価として魔法陣通りの現象を起こしているだけなのだ。
……なぜそのような話をしたかというと、俺様がセリナと契約した理由に《精霊》が大きく関わっているからだ。
***
あの日、俺様ことクリュウは50年間眠り続けて固まった筋肉をほぐすため、久々に空を飛んでいた。
その途中での出来事だった。
【タスケテ!】
闇夜の中から俺様の方へ投げかけられたのは、精霊の叫び声。
驚いた俺様が耳を澄ませると、次々と精霊たちが呼びかけてきたのだ。
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【クリュウSide】
この世界には、自然を司る《精霊》が人知れず存在している。
彼らの存在は、遠い昔に残された文献によってのみ伝えられており、今や《精霊》の存在を知る者はごく少数となっている。黄金龍である俺様は、姿を見ることも声を聞くこともできるが。
ちなみに、セリナの受けている【魔法陣構築科】で魔法が発動するメカニズムについて教えていたが、あれは間違いだ。
人類は、魔法陣に魔力を通すことで魔法を使っているのではない。
本当は、魔力を主食としている《精霊》が魔法陣から放出された魔力へ集まり、魔力を補給した対価として魔法陣通りの現象を起こしているだけなのだ。
……なぜそのような話をしたかというと、俺様がセリナと契約した理由に《精霊》が大きく関わっているからだ。
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あの日、俺様ことクリュウは50年間眠り続けて固まった筋肉をほぐすため、久々に空を飛んでいた。
その途中での出来事だった。
【タスケテ!】
闇夜の中から俺様の方へ投げかけられたのは、精霊の叫び声。
驚いた俺様が耳を澄ませると、次々と精霊たちが呼びかけてきたのだ。