お土産を買って、来た道を引き返していると。

「こうちゃん」

トモとおじさんがやってきた。

「こうちゃん、向こうにお化け屋敷あったよ」

トモが言う。

へー、ここ、そういうのもあるんだ。

「面白そうじゃん、行ってみる?」

俺が言うと。

「えー…」

千秋が表情を曇らせた。

「なんだ、怖いのか千秋?」

からかうように俺は笑う。

「遊園地のお化け屋敷なんて子供騙しじゃないか。あんなの怖がるなんて、子供だなー」

「む…」

俺に馬鹿にされたのが悔しいのか、千秋は口をとんがらせる。

相変わらずだなぁ。

ちょっと挑発したらすぐにムキになるのも、子供の頃から全然変わっていない。

「いいよ。トモ、そのお化け屋敷どこ!?」

「え、ほんとに行くの?」

トモは及び腰。

こいつの気弱なところも、相変わらずみたいだ。