ベッドから降り、
龍が持って来てくれていた
荷物をまとめた。

上田先生に軽くお辞儀をして、
聖護と共に保健室を出る。


帰り道、

坂を下っているときも、
バスに乗車しているときも、

ずっと無言だった。

繋がれた手には、力が入っていて
少し痛かった。


家の近くのバス停につき、
あたしは口を開く。


「…しょうちゃん、

どうしたの…?
なんかあったなら言う約束でしょ…?」


聖護は、真っ直ぐあたしを見つめた。


「…妬いただけ。

ただ、それだけ。」


恥ずかしそうに頬を赤く染める。

あたしは、思わず吹き出してしまった。