聖護は凄く真面目な、不安そうな顔で
あたしの顔を見る。



「…どうしたじゃねーよ!!

エレナや、弓道部の奴らが
青ざめた顔しやがるから、

いっそいで柚愛探しにきたんだよ!!」


聖護はあたしを強く抱きしめた。

まるで、ずっと離れ離れで
やっとの思いで再開出来た
人たちのように。


「…元気そうでよかった」


聖護はそっと、あたしから離れた。
あたしの頬に手を添えて、

いつものようにはにかんだ。



「ごめんねしょうちゃん、心配かけて。

ちょっと疲れてただけだよ!

ほら、始業式始まっちゃう。
行ってきな?」


聖護の顔を見ただけで、
本当にホッとした。

時計を見ると、始業式まであと3分。


「イチャイチャしないで
とっとと行く! 橘さんは休ませるから」

と、先生は聖護を送り出す。