「ダダダダダッ、」

廊下から、誰かの足音が聞こえる。

その音はどんどん近付いて来て
次第に大きくなった。

ベッドが振動で微かに揺れ動く。

「ガランッ」

ドアが勢いよくあいた。


「柚愛っ!!」


聞き覚えのある、愛しい人の名前。

聖護。


「柚愛来てねえか?!」


息を切らした声で、
あたしの所在を問う。


ゆっくりと足音が近付いて来て、
勢いよくカーテンがあいた。


「し、しょうちゃん?!

ど、どどうしたの?!そんな怖い顔して!」