「おぅ、ま、まぁな。

どうした? 柚愛に怒られたかっ?」


俺が冗談半分で、
新入生たちにそう言うと、
誰1人反応を示してくれなかった。


弓道場の外に、

エレナが弓道着のまま
部室へ向かうのが見えた。


「エーレナ! おひさ!

なぁ〜! 柚愛どこにい…」


エレナは足を止め、
俺を見つけるなり、しゃがみ込む。


「おい! どうした?!」


俺が慌ててエレナの元へ向かうと、


「…聖護が向かうのは、

あたしのとこじゃないっ…。

はやく…はやく、柚愛んとこに…

保健室…、向かって。」


途絶え途絶えだけど、
はっきりとした声でそう言った。