「家庭訪問なんてなくていいと思う。」
「梨香子に同感。高校生になってまでそんなものいらない。
居留守使おうか。」
「生徒がいうセリフじゃないよね。
どっちかと言えば俺がいうセリフなんだけどな。」
高校生活が始まって三週間が経った。
私と詩麻はとっても憂鬱な気分で放課後の教室に残っている。
「先生だって嫌でしょ、家庭訪問とか。」
「いちいち保護者の顔色見なきゃいけないし・・・。」
「まぁそれはそうなんだけど、仕事だしね仕事。」
私と詩麻の手には一枚の紙が握られている。
そこにはこう書かれているんです。
私達の大っ嫌いな家庭訪問という物が!
配られたのは一週間前なのに、保護者に見せていない私達。
だから少しお説教されてます。
「どうして二人とも、そこまで家庭訪問が嫌な訳?
理由を言って。」
「や、ただ単に嫌なだけなんで。」
「中学の時に家庭訪問で担任と親がバトっただけなので。」
「柊の理由は、なんかすごいな。」