「覚えてないですけど…。
 どうしてそれを私に?」

「アイツが声かける以前に、
 おまえ話しかけたことあるだろ。
 それ以来アイツの頭の中、
 “桂木鈴奈”でいっぱいなんだよ。」


……。
それ私悪くなくない?!
いつ、どごで、何を話したかすら覚えてないし。
ってか本当に安岡って人に私が話しかけた事あったとしても、それぐらいで先輩のこと見られなくなる程度の女って事じゃん。

言ってやりたいけど、悪化するのが目に見えてるから黙る。


「何で黙ってんの?!」


お決まりのパターンすぎて嫌になってなってくる。

今までの女なら、ここまで言ったら去っていったのに…


ドンッ──……


「キャッ…!」