「ありがとうございました。」


桂木がお辞儀をしながらお礼を言う。


「お前。いつもあんなことされてんのに、
 よく、くじけねーな。」

「えっ…。
 いつもって、もしかして
 1年の時から見てました?」

「あぁ。
 初日に俺がこの場所見つけて以来
 俺の定位置だから。」


って何をべらべらと俺はしゃべってんだよ。
自分のこと女に話すことなんてねーのに。

早く裕也来いよ。
いい加減終わってる時間だろ。


「そうだったんですね…。
 あっあの、私帰りますね。
 本当にありがとうございました。」


そう言って桂木は帰っていった。