「3年B組の担任になった、金田八郎です。これから宜しくお願いします。」




こうして、新しいスタートは幕をあけた。




「金田八郎…略すと金八先生じゃん!」



クラスに一人はいるお調子者の生徒がそう言って笑いをとった。






ガラガラガラ―――




「すいません、寝坊しました。」



そういうと、帽子を深くかぶった男が寝癖をつけたまま、さっそうと教室に入り空いている席へと座った。



女子の視線はみんなそいつにむかっていて、顔を赤くする子もいた。




そう、こいつは朱下真。



鈴木の標的で俺がゆういつ、フルネームを知ってるヤツだ。



モデルの仕事をしていて、結構な売れっ子さん。
女癖の悪さと目立っているせいか、一番の鈴木の標的になっているらしい。





「それでは、自己紹介してもらいましょーか。恒例の。」



恒例なのかどーかはしらないが、クラス替え後の緊張の一時がやってきた。




なんて言おうか真剣に悩んでるヤツもいる。




この緊張感がすげぇ嫌いなんだよなー…