トイレに向かって廊下を歩き始めると、恵は突然「あのさ、」と言い、話しかけてきた。

「今日初めて会ったばかりだけど、今日の放課後空いてるかい?」

「え?」

恵からそんな言葉が出るなど思いもしなかった咲良は目を見開いてポカーンと端から見たら間抜けな表情で恵の方に顔を向けた。そんな咲良の反応にわかりやすいなーと思いつつ、恵は話を続けた。

「さっき自己紹介で七星さん、趣味の話してたよね?」

「うん」

確かにしていた。ひょっとしてそれが関係あるんだろうか?でも、茅瀬さんには趣味がないんだよな…なら、何だろう。こ思考をぐるぐる巡らせていると恵は話の続きをした。

「私の自己紹介は聞いてた?」

「うん…ちゃんと聞いてたよ?」

それなら、話は早い。と、恵はさらに話を続けた。