チャイムの音が鳴り、休み時間がきた。結局最後まで真面目に聞いていた咲良だったが、話しかけやすそうな人が見つからず、また、自分に話しかけてくれる人もいなかったため、今年は1人で過ごすのかなぁ…と半ば諦めモードに入っていた。
とりあえず、気分変えにトイレでも行ってこようかなと思い、席を立ち上がって教室のドアを開けたとたんに後ろから話しかけられた。

「私も一緒に行ってもいいかい?」

振り向くとそこには、もちろん、いいよね?と有無を言わさないというような笑みを浮かべた恵がいた。
一瞬「え?なんで??」と思ったが、まだ彼女がどういう人物かわからないので断ったら怖そうだなと感じたため、そんな感情を彼女に知られないように咲良はいつものゆったりペースで

「いいよー。一緒にくる?」

と、承諾したのだった。