「次、茅瀬」

はい。としっかりとした力強い返事で音を立てずにすっ、と姿勢よく起立した茅瀬という生徒はクラスの生徒の目を引いた。

おそらく、クラスで1番長いであろう黒髪を上に一本で束ねていて、背も女子にしては高い方に見える。キリッとした目つきで、でも相手を威嚇するような雰囲気はなく、その目からは自分に自信があります。というような印象を受けた。

「茅瀬恵(めぐむ)です。これといって趣味はありません。ですが、今アルバイトに精をだしています。今年1
年間よろしくお願いします」

丁寧にお辞儀をし、起立したときと同様に音を立てずに彼女は涼しい顔をして座った。

時の流れは早く、次々と自己紹介が終わっていった。そして咲良の番が来た。