8時30分。チャイムが鳴った。と、同時に先生もクラスに入ってきた。
去年はいかにも私真面目ですという人を絵に描いたような女性の先生だったが、今年は赤い長袖ジャージを腕まくりして新学期からやる気全開!皆俺についてこい!
とでも言い出しそうな雰囲気の若い男性の先生だった。

1時間目の始業式が終わり、2時間目はHRの時間だった。
やることはと言えば、2年でクラス替えがあったため、まだ全員顔見知りというわけではない。
そのため、始めは自己紹介から。と、言うわけで丸々1時間自己紹介へと費やされる。 

自己紹介は得意なほうではないが、ここで何かアピールしないと1年間ぼっちで過ごすことになるかもしれない…!
そう思うと、咲良の胸には人前で話さなければいけない恥ずかしさよりも、友達が出来るチャンスかもしれない。という期待が広がった。