「ここに来たのは初めてかい?」

恵は辺りを見回す咲良の様子から多分そうだろうなと思いつつも聞いてみた。

「うん。こんなにメルヘンチックなお店が並んでる場所初めて見たよ。ここいいなー…こんな場所あるなら早く知りたかったなー」

恵の質問に咲良は、聞かれてもない自分の素直な感想まで述べてしまった。

「気に入ってもらえたようで嬉しいよ。咲良はこういう雰囲気が好きなんだね。女の子らしいなぁ」

連れてきてよかったと恵は言った。
そんな恵に咲良は人柄の良さを感じ、この子となら1年過ごせそう!と
何となく思い、脱!ぼっち1年間!とうれしくなった。
と、そのとき、恵の足が止まり、左を向いた。
その方向へ目を向けると、この通りの雰囲気を作り出してる店のうちの1つである小さく、可愛らしいガラス張りのカフェがあった。