高校生になり、1年が経った。
春、夏、秋、冬をこの春ヶ丘高校で過ごし、また春がやってきた。
門前にある大きな掲示板に張り出されていた新しいクラスが書かれた紙のどこかに書かれているであろう自分の名前を確かめるために、小柄な体で一生懸命人混みをかき分けていき、前へ前へと進んだ。

(七星咲良…!あった!)

2年3組に書かれていた咲良は、次に去年クラスで1番仲のよかった友達の名前が同じクラスにあるかどうかを確かめた。

(うちのクラスに無い…別のクラスになっちゃったのか…)

今年も友達作りから始めないといけないのかぁと思うと、登校日初日から不安が出てきてしまい、賑わう人混みの中で1人ため息をついてから再び人混みをかき分けて教室へととぼとぼ歩いて向かった。