気が付いたときには救急車の中で、白い服に身を包んだ人たちが、俺の顔を覗き込んでいる。

病院に運ばれる途中だったみたいだ。



今日は・・・まあこと会う日・・・




俺は心の中で何度も何度もあわせてくれと、神に祈った。

その思いも空しく、俺はまあこに会うどころか、動くことすらままならなかった。




やっと指ぐらいは動かせるようになったとき、俺はまあこに電話をかけた。





『・・・まあこ?』
『先輩?!』
『うん・・・ごめん・・・俺さ、じこっちゃった・・・』


そこまで言うと、まあこの声が泣き声に変わって俺の耳に届いた。



まあこは電話越しに大きな声を張り上げて泣いていた・・・。














そのおかげで、今俺は傷を隠すためのテープや包帯に身を包まれている。





だから今、まあこにあのいつもの笑顔は無い。
笑ってはいるけれど、むりやり搾り出しているかのような・・・
どこか悲しい笑顔だ。



そんなまあこをエスコートしようと思ったけれど・・・

そんなこと、今の俺がやっても仕方ない・・・。