まあこは、手をつないだときよりもきょとんとしている。

はっと気が付いたようで、まあこは俺から顔を真っ赤にして顔をそらす。




まあこのかわいらしい指は、まあこの唇をなぞっていた。





それを見た俺も・・・自分の指で自分の唇をなぞった。









「ファーストキス・・・?」
「え・・・あ・・・はい・・・」

言葉が硬い。
緊張してるんだ。
ほんとにかわいらしい奴・・・。


「先輩は・・・?」
「あー・・・ごめん・・・」






まあこは、泣きそうな顔で俺を見た。



でもね、まあこ。
確かにファーストキスじゃないけどね、こんなに優しいキスは・・・
温かいキスは、俺も初めてなんだ。
だから、俺もコレをファーストキスと呼ぶよ。


また俺は、聞こえないような心の声で、まあこに伝えた。





先輩がやたらニヤニヤしながら戻ってくる。

あ、見られたのか。




でも、俺は・・・
幸せに満ちていた・・・