楽器を持ったまあこが、こっちに向かって歩いてくる。
なんて声をかけるか迷った。
「一緒にバス乗らない?」「隣に座ろうよ」「楽器持ってあげようか?」
あぁ・・迷う。



「せんぱーい!」


あ・・・まあこ・・・



「いっ・・・一緒にバスに乗らない?」



結局俺は、一番初めに浮かんだ言葉をまあこに言った。
こんな言葉でいいんだろうか・・・?




「はい!」





案外早く答えが返ってきた。
コレは俺の予想外だ。




って・・・そうか、付き合ってるんだよな・・・




早く答えが返ってきて当たり前か・・・







嬉しい・・・すごく嬉しい。

まあこの隣に座れるなんて!



俺の心は、まさに恋する色の、俺にはとびきり似合わないピンク色に染まった。

そしてだんだん俺の顔は・・・まあこのさっきの頬みたいに赤く染まってきた。


まあこは俺の彼女。
俺の彼女はまあこ。
俺はまあこの彼氏。
まあこの彼氏は俺。



こうやって頭の中で整理するたび、俺の胸はときめく。