「ほら、行くぞ」

どこに到着したのかも
説明はないまま
車を降り
輝樹の後を
ひたすら歩き、

アパートの一室の前に来ると
インターフォンを押すと


「輝樹、遅いってば!」


中から出てきたのは
あの、サキという女性だった。


「・・・え?
輝樹 一人じゃないの?」


私の顔を見て
呆然とするように
輝樹に問いかける。


「これ以上 こいつ一人にしとくわけにはいかねぇんだわ。」


そう言うと
私の手を引っ張り
中へ誘導するように
入ると
ソファーに座った。


「んで?
俺が来た意味はあんの?」


「・・だから、遅かったんだってば・・」


さっぱり意味が分からない。