「きゃっ!?」

もたれかかっていた玄関の扉が急に開き
体が後へと倒れそうになった。

「うわっ!ビッたぁ・・・
だ、だいじょぶ?」

「ま・・・正樹くん」


倒れそうになった体を
正樹君が
とっさに 足で支えてるという状況に
慌てて 体勢を整え
立ち上がった。


「こんなとこで
何、どしたの?」

「え、あー・・・ちょっと
立ちくらみしちゃって・・・」


「立ちくらみ?大丈夫なの?」

「もう大丈夫。
ごめんねー
驚かせちゃって・・・」

私も驚いたけど・・・

「いや、それはいいんだけど
ほんと大丈夫?」

「大丈夫、大丈夫。
そういえば 正樹くんが来るなんて珍しいね?」

正樹君の家なのに 私ってば 何言ってんだろ・・・


「あっ、そうそう
シュークリーム美味しそうだったから 一緒に食べようと思って来たんだけど・・」

「シュークリーム?やったぁ。
うんうん、食べよう~
ちょうど甘い物
食べたかったんだー」


正樹くんの買ってきた
大きなシュークリームを食べながら
首をかしげるように
私の方を見ている 正樹君。


「何、そんな見つめてー
食べにくいじゃん」

「いや、つーかさぁ・・・
春菜ちゃん
何かあった?」

・・・やっぱり。

そりゃ・・・
相手は 正樹くんだし。

そんな簡単に 誤魔化せられるわけないと思ってはいたけど・・・