直也くんが
何か言いたげに
指をさしている。

え?うそ、まさか・・・・

後を ゆっくり振り返ると

私と直也くんの様子を
じっと立って見ている輝樹の姿。

雰囲気で察したのか
直也くんは そのまま
現場に戻って行き


・・・・私は、

ゆっくりと
前を向き、

そのまま



―――――逃げる―――――

きっと、輝樹は
呆然としているだろう。


みじめだ。

仕事場にまで来て

まるで ストーカー・・・

しかも、口止めしてるの
完全に見られて・・・


やっぱ、
後先考えず
行動なんておこすもんじゃない。

車にあった
シュシュ1つで
こんな怖気づいて・・・


みじめすぎて
恥ずかしくて

こんなみっともない姿
見られたくなかった・・。