「あれ?春菜ちゃんじゃない?」

輝樹の車の後に停まっていた車の中から出てきた人が 驚いた顔をして私を見ている。

この人・・・たしか、

「美香の・・・」

「そうそう、ごぶさたっス」

美香の彼氏の直也くんだ。

「こんなとこでどしたの?
あっ、先輩見つからなかったとか?
俺 呼んでこようか?」

すっかり忘れてたけど
輝樹と直也くんって
同じ会社だったんだった・・。

美香達が付き合い始めた頃
聞いてたのに
すっかり忘れてた・・・

「ううん、大丈夫。」

美香から 今の私の状況を聞いてないみたいだ・・。

・・という事は


「あっ、輝樹には
私に会ったって
言わないでほしいんだけど・・」

「え?先輩に用があったんじゃないの?
もうすぐ昼休憩だから
それまで待っとけば?」

昼休憩?

携帯の時計を見ると
あと5分でお昼だ・・。

これは やばい。

「ううん、お願い。
絶対 言わないで?」

「え、でも・・・」