そして、亮くんの姿も
秀忠くんの姿も・・・・

「春菜ちゃん・・・
病院、俺達が付き添うから」

「だ、大丈夫・・・・
ごめ・・・迷惑かけちゃって・・」

口がうまく開かない・・・

「亮、早く
春菜連れて行ってやって。」

「あぁ・・・・」

抱きかかえられ
外に出た瞬間
輝樹の怒鳴り声と激しい音、
そして・・・
翔くんのうめき声が聞こえた。

「ちょ・・待って・・・」

うまく動かない体で
亮くんの腕をすり抜け
扉を開けると

謝る翔くんに掴みかかって

殴り続ける輝樹の姿・・・
止めようと 駆け寄るけれど

「春菜、どけろ。」

見たことのない 輝樹の姿に
戸惑い、どうすればこの状況を止められるのか判断すらできない。

翔くんは 完全に横たわり
苦しそうな声で
ただただ、謝り続けている。

「輝樹、
もう帰ろう・・・?」

輝樹の振り上げている腕を掴み
そう言うと
悔しそうな表情を浮かべながら

「・・・まだ
こんなもんじゃ
許せねぇだろうが・・・
ほら、早く病院行け・・・」

背中を押されるように
扉の外へ出されてしまい
亮くんに抱えられながら
車へ乗せられた。