「もういいや。
健二、帰るついでに
春菜送って行って」

「構いませんけど
いいんですか?」

「ん?何が?」

「いや、その・・・
話し合わなくて・・・」

「話し合う必要ねぇだろ」

「え、でも・・・
春菜ちゃん これでいいの?」

輝樹の考えが予想もつかないから
今の この状況が
何を意味してるのか
頭の中で理解ができない。

「えっと・・・その
先輩、俺、10分だけ
出るんで、その間
春菜ちゃんと
話してもらえませんか?」

呆然と何も言えない私に
いとこくんが 必死で
この状況を変えようとしているけれど・・・

「だから、もういいって!
話なんてねぇし」

「・・でも、お願いします。
10分だけでいいですから・・」

「はぁー。分かった分かった。
10分な。10分経ったら
そっこー戻れよ?」

「はい、すいません」

いとこくんが 必死で
私と輝樹の話すチャンスを作ってくれたんだ。

呆然としてる場合じゃない。