「さーてと・・・
お嬢さまは、どこがいい?
車ん中で話すか?
それとも どっか行くか?
あとは、俺ん家行くか?」

車の中は あまりに至近距離すぎて 意識しすぎるし・・・
どっか行くって、今度は どこに行くか また考えさせられるし・・・

「輝樹の家でいい・・・」

「はいよ、腹減ってねぇか?」

「大丈夫・・・」

「そっか、じゃ
飲み物でも買ってくるから
車の中でおとなしくしとけよ」

おとなしくって・・・
暴れたり、逃げたりするわけないじゃん。

はぁ・・・・。

車の中から 
コンビニの中の輝樹を見てると
遠い存在にすら思えてしまう。
近くなっても、
あと少しの所で 
また離れていくような・・・

いくら近くにいても
輝樹自体には 
手が届いてない。
そんな気がして仕方がない。

会話もないまま
輝樹の家へと着き
そのまま部屋へと向かう。

数日振りに入る
輝樹の部屋・・・

いつも座ってた位置に
座り、渡された飲み物を飲みながら
また沈黙・・・・

何から話すべきなのか、
話していいのか
さっぱり分からない。

そんな空間が 数分続いた時
部屋の扉が開いた。