長くて退屈な先生達の話を聞き
ようやく 学校が終わった。

帰ろうと 美香の姿を探すけれど
見当たらない・・・

・・・そういえば

まだ翔くんの家に住んでるって言ってたっけ・・・

反対方向だから
一緒に帰れるはずないか・・・

何だか 少し
寂しさを感じつつ
1人で 教室を出た。

校門を出ようとした時
前方に 見覚えのある後姿。

駆け足で追いかけ
ようやく追いつき、
肩を叩いた。

「あ、え?市川さん?
どうしたの?」

「ごめ、逆瀬川くん
話が・・・はぁはぁ・・」

息が絶え絶えになりながら
必死で言葉に出した。

「うん?いいけど
大丈夫・・・?」

「大丈夫・・・・
急に走ったから・・・」

ゆっくりと歩きながら
どう言えばいいのか
必死で考えてるけれど・・・

言うべき事が
まったく まとまらない・・・

「市川さんが そんな顔してる時って、俺に言いづらい事を必死で考えてる時だよね。」

「え・・?そ、そんな事・・・」

「俺 結構 タフにできてるから 心配しなくても平気だよ?」

少し はにかんだ笑顔で そう言われると
胸が痛む・・・