けれど・・・

8時になっても、
9時になっても、
10時になっても、

来る気配はまったくなし。

「明日の事だったか・・・」


今日だと期待してたから
少し ショックがあるけど
明日は会えるし・・・


・・・着替えて顔洗って寝よ。


部屋着に着替え
化粧を落とそうと
お風呂に向かおうとした時
携帯が鳴った。

机に足の小指をぶつけ
悲鳴をあげたいくらいの痛さをガマンしながら
何もなかったように
普通の声を出せる私は
女優になれるんじゃないかと
思ってしまった。

「もしもし?」

「もう着くから 
出てきとけよ?」

「は?え?今?」

「あと2分くらい。
じゃあな。」

化粧落とす前でよかった・・・

なんて安心してる場合じゃないし。

ジンジンする小指を
構う暇もない。

早く着替えなくちゃ。