大きなため息をつき

「悪かったよ。
元はと言えば 俺が
電源切り忘れてたのが原因だし
嫌な思いさせて悪かったな。」

そう言いながら
大きな手で 頭をポンポンとし
うつむく私の顔を覗き込んだ。

「私も・・・ごめんなさい。」


そういえば、
前にもこういう事があった。


きっと 輝樹は
私の扱い方を
すごく知ってる。

素直に自分から謝ることができない私の性格を知ってるからこそ
自然と 仲直りする きっかけを与えてくれてるんだと思う。

やっぱり・・・
私は まだまだ子供で
輝樹は 大人なんだと
つくづく思い知らされる瞬間だ。


謝っても まだ気まずい雰囲気で
なかなか 気持ちの切り替えができない私に
輝樹は 長く甘いキスをし続ける。

きっと、これも
輝樹が知ってる 私の扱い方なんだろう。

長く甘いキスの後には
何のわだかまりも残らないから・・・

私は 単純だけど、
意地っ張りでもある。
そして、何より 素直じゃない。

だから 簡単なようで扱いは難しい。

そんな私を
これほど簡単に扱えるのは
きっと輝樹だけのような気がする。