ようやく食事を終え
輝樹の部屋に戻ると
誰かと電話中・・・・・

テレビもついてない
音楽もついてない部屋は
静かだ・・・・

静かなせいで
電話相手の声が
私の座ってる所まで聞こえる。

何を話してるかは
さすがに聞こえないけれど
電話相手が 男か女かという事くらいは分かる。

完全に女だ。

気にせず、近くにあった本を読むフリをしつつ
耳は 輝樹の電話に集中してる。

我ながら恐ろしい女だ。

「あ~、俺 車ねぇから
お前の出してくれる?
・・・・・・・・・・
あぁ、いや。迎えには来なくていい。
駅に来てくれればいいから。
・・・・・・・・・・
つーか、俺
お前の顔覚えてないから
ウロチョロしてんなよ?
・・・・・・・・・・
あぁ、分かった。はいはい、
じゃあな」


この会話からすると・・・

会う約束でもしてるらしい。

普通、彼女の前で
こんな電話しないと思うんだけど・・・・