「おい・・?」

その瞬間
至近距離での
整った顔。
唇に柔らかい感触と同時に
温かい不思議な感じが・・・

「ぷっ・・・くっあはは
キスの時くらい
目閉じろよな~
色気もそっけもねぇ奴だな。
やっぱ、ガキだな~」



キスくらい
今まで何回もした事あるのに
目すら閉じれないなんて
私は どんだけ
純情なんだ・・・・

いや、その前に
不意打ちは卑怯だろ・・・

ガキガキって・・・
そのガキにキスする奴は
誰だよ・・・

なんて思ってるのに
何も言葉にできないとは
あぁ・・・情けない。

その前に
この男が女慣れしすぎなんだ。
こんな雰囲気で
こんな・・・キスされると
私じゃなくても
心臓バクバクになるはずだ・・・
さすがというか・・・
やっぱりと言うか・・・

「さて、行くか。
微妙に寒いしな」

キスした事なんて
別に たいした事ないように
平然と話すこの男に対して
私は 完全に
挙動不審・・・・


もう・・・
完全に この男に
落ちた私は
どう接すればいいのかすら
分からない。

さっきまでの
開き直った自分に戻りたい・・・


本気で惚れたらいけないと分かってる自分に抑えがきかない。