「おぉ~すごい・・・
夜景なんて初めて・・・
こんな明るいの!?
家見えるかな・・
あ、でも方向が分かんないから
難しいかな・・」

テンションが上がりすぎて
さっきまで考えてた事が
全部 頭から吹っ飛んでしまった。

「ぷっ・・ははは
何だよ、それ。家って。ふっくく
ここから 自分の家が見えたら
どんだけ すごい視力なんだよっ!ははは
まぁ、そんだけテンション上がれば
連れて来た甲斐があるけどな。」

大きな手が頭を
ポンポンとすると
ふわっと
甘い香りがした。

「うん、かなり・・・・
っていうか 感動したもん。
連れてきてくれて
ありがとうございます」

「いーえ、どういたしまして」

少し笑いながら
優しそうに
そう言う姿に

急に胸が高鳴り始めた。

夜景効果だろうか。

夜景に感動して
便乗効果でときめき?

+αで 顔が良すぎるから?

「まぁ、お前みたいなガキを連れて来るのは初めてだけどな。ははは」

かなり性格は悪いけど・・・

でも、これは・・・

こんな演出と顔は
反則だ。


こんな事で簡単に惚れるなんて
自分でも情けないくらい
単純だと思うけど・・・

握られた
大きな温かい手に
思わず力が入った。