逃げるにも
こんな所で逃げたら
遭難するのが目に見えてる・・・

もう、腹をくくるしかない。

よく分からない男だけど
一応・・・付き合ってるし。

・・・たぶん。


性格はともかく・・・
顔だけはいいから
それだけが救いかもしれない。

それに、最低男だけど

嫌いではないから・・・

むしろ好きな方かもしれない。
裏表がなくて・・・

「おい?どうした?
眠くなったか?」

腹をくくったはずなのに
明らかに
さっきと違う
不自然な態度をとってしまう私は
本当 小心者だ。

「いえ、大丈夫です」

「そうか?よし、
じゃ、行くか」

へ・・!?

ドアを開けられ
引っ張られるように外に出て
握られた手に小走りでついていく。

ようやく立ち止まり
見上げると
目の前には
辺り一面の
夜景が広がっていた。