「何 変な顔してんだ?」

飲み物を持った輝樹が
笑いながら
私の顔を覗き込む。

「女っ気ない部屋だから・・・
意外だったなぁ・・って」

「ぷっ、あはははは
何だよそれ。ははは
俺が 人形と寝てるとか
キャラクターもんが溢れてるとか
想像してたって事?くーっくく」

「いや、そうじゃなくって・・・
それよりっ、
早く 映画観ようよ」

あまり深く追求されると
変な言葉を口走ってしまいそうだ。


渡されたジュースを飲み
テレビの画面を観ながら
頭の中は
これから どうなるのか
そればかりだ・・・


映画の内容なんて
全然 頭に入らない。

そんな私とは反対に
輝樹は ベッドに寝転がり
画面に集中している。


・・・私の考えすぎか。


そうだ。
今まで 輝樹は
キス以上の事をしようとすら
しなかったわけだし・・・・

女に不自由もしてないし・・・


心配する必要ないかもしれない。