「なんであたしを連れてきたの?」

無意識にきいてた。

いや、
そりゃそこ気になるよね普通、うん。

なんでなん…

「あぁ、一人でサボっても暇だからさ、
なほつれてきた」

…そゆことね。
少しでもときめいてたあたしがばかね。
はい。

「てのもあるけど、
なほの悲しそうな顔すんのが気になったから」

悲しくないよあたし。
強いから悲しくない。

「俺、入学してからさ、なほのことみてさ、
あの子すっげぇ悲しそうだなって、
いつも思ってた。
なんでなのかなって」

入学してから…か。

そんなに前から、
心配してくれてたの?

「でもさ、
話しかけるタイミングとかなかったし。
で、二年で同じクラスになったから、
こうして今話してんの。 こうでもしないとさ、
二人で話とかできねーしよ」

…あなたモテるしね。
あたしと話してても女の子いっぱい集まってくるだろうし、
ごもっともだね。