「……」

手当てを済ませた左腕をしげしげと見る谷口。

「包帯の巻き方、上手いな」

「そう?応急処置の実習は評価が高くて自信あったもの」

軽く微笑む豊田。

とりあえずこれで谷口の怪我に関しては心配要らないだろう。

後は…。

「日が暮れてしまう前に食糧の調達をしておきたいな…夜間に動くのは危険だ。いつカマドウマの襲撃を受けるか分からないからな…寝床と食糧の確保をしよう」

谷口は89式多用途銃剣を手に立ち上がった。