「…それで弱い人達を救えるならいいんじゃないか?」

三浦は麗華の顔を見る。

この世界はどこまでも残酷だ。

力なき難民や少年兵達が、戦場で虐殺され、幼い手を血で汚さなければ生きていけない。

そんな戦場が、今こうしている間にも増え続けている。

それが人間の真の姿なのだと嘯く者がいる。

だが、それを真実と認めてしまったら、この世界には最早救いはない。

誰にも戦争は止められない。

ならば、人間の真の姿から目を背けたとしても。

「偽善でしか戦争を止められないなら…俺は偽善を続ける」